Dutch & Dutch 8c

Posted on 21.03.11  /  in 機材

モニタースピーカー買い換え

モニタースピーカーをDutch & Dutch 8cにしました。

幸いデモする機会に恵まれましたのでしばらく使ってみた結果、購入を決意しました。

本当はDSP内蔵だなんて軟派な感じがして敬遠していたのに…。

Dutch & Dutch 8c

Dutch & Dutchは名前の通り、オランダのメーカーです。

この8cはサブウーファー付き2way、という表現でいいのでしょうか。

 

485 x 270 x 380mm (高さ x 幅 x 奥行き)とちょっと大きめのニア/ミッドフィールドモニターです。

カラーバリエーションは前面が白いものも含めて4種類あります。

当方が購入したのは前面がブラックであとはナチュラル仕上げ。

見た目もとても気に入っています。

 

サブウーファーは背面に別エンクロージャーとして2ユニット配置されています。

各スピーカーはそれぞれ250W(MF/HF)と500W(LF)のアンプで駆動されます。DSPでクロスオーバーを制御しているということは、その後帯域毎にD/Aしているということになります。

 

細かい理屈はよくわかりませんが、背面の壁からの反射を利用して音作りをするそうで、壁に近づけて設置することが推奨されています。

 

肝心の音については、中域の情報量が豊かでローエンドはしっかり下のほうまで再生できます。

ハイミッド〜ハイエンドはパキッと早い音ではないのですが、その分聞き疲れしません。

とはいえ「ぬるい」音では決してなく、過不足のない、素直な音です。

(部屋との相性やセッティング、好みもありますので現時点での個人的な感想です。)

設定

各種設定はwebブラウザ上から行います。

認識は同じスイッチングハブ上であれば全く問題無く行われました。インターネットに繋がっていればソフトウェアは自動更新されます。

まずは各スピーカーの設定を行います。スピーカーの設置位置(L/Rなど)とともにスピーカーから後の壁および横の壁までの距離を10cm単位で指定します。

音量などはグループを作ってまとめてコントロールすることができます。

低レイテンシーモード

100Hzと1250Hzに設定されたクロスオーバーはDSPでリニアフェイズで行われているのでレイテンシーはなかなかものでして、ベースやギターをスピーカーで鳴らしてモニターしながらトラッキングはとてもじゃありませんが無理です。

そのためLow Latencyモードが用意されています。

これを使えばレイテンシーはほとんど全く気になりません。

 

ただ、ちょっと使いづらいのが、このLow Latencyモードはステレオグループではなく、それぞれのスピーカーに対して設定しなくてはならない点です。

操作がトップ→スピーカー選択→設定→項目、と階層を潜っていくスタイルなのですが一気にトップに戻るコマンドが無く、階層を1つずつ遡ってトップに戻り、もう一つのスピーカーを設定…、という流れになってしまいます。トラッキング時はLow Latencyモードをオフに、ミックス時はオンに、としたいのにこれは煩わしい。今後のアップデートに期待します。

8c setting

操作画面をiPhoneのSafariで表示しているところ。

接続とモニターコントロール

入力のXLR端子はアナログ/デジタル(AES3)兼用で、背面のスイッチかソフトウェア上から切り替えて使用します。

 

アナログ入力とデジタル接続では、デジタル入力した方がD/A->A/Dを飛ばせるためか輪郭がくっきりして良い印象でした。

 

なお、AES/EBUはデイジーチェーンするためにTHRU端子が付いていて、空いた片側には終端抵抗が必要です。ペアで買ったら1個付いてきました。これは無いとロックが外れたりするので、本当に必須です。

 

長いことCranesong Avocetをモニターコントローラーとして使ってきましたが、デジタル接続にしたので不要になり、RME ARC USBで内蔵ミキサーであるTotalMix FXをコントロールして使っています。

基本的にミキサーのスナップショット切り替えになること、また、視覚的なフィードバックがほとんどないことから専用コントローラーに比べると多少不便な所はありますが、トークバックを含めてこれで事足りています。

 

内蔵パラメトリックEQ

また、最大20バンドのパラメトリックEQが内蔵されていて部屋の響きでどうしても気になるところがあれば調整できます。

その際にはRoom EQ Wizardというフリーソフトと連携して(測定用マイクは別途必要)、測定後のEQ設定をスピーカーに転送することもできます。

現状はEQ無しで運用していますが、IK MultimediaのARCみたいなことがDAWの後段のDSPでできるのは大きな利点です。

 

最後に

本稿執筆時点のVintage Kingでの価格が1本あたり$6,500、ペアで100万円を軽く超えますので、安くはありません。

同じ価格帯だと他にAmphion + サブウーファーやBarefoot、Genelecの同軸、ATC、PMCなどが人気でしょうか。Focal Trio6 BeやAdamなどもありますね。

その中でも当機種はサブウーファーを搭載しながらも反射を利用してすっきり聞かせてくれて、狭い部屋でもローエンドが飽和しにくいのが特長だと思います。

 

導入した結果、サブウーファーが付いたことでコントロールルームでギターなどをトラッキングする際、アーティストの方々も気持ちよく演奏できるようです。

 

また、低域が見えやすいことで素早くミックスできるようになってきました。

というのも音の「聴き方」というか、下がここまであれば上もここまで伸ばして良い、というのがわかるようになってきたからだと思います。今のところすごく満足しています。

 

これでバリバリ仕事したいので、ご依頼お待ちしております!

 


2021.04.28 サイズや外観について追記しました。