ルビジウムクロック
Antelope 10M
当スタジオでは、クロックのマスターとしてAntelope 10Mを使っています。
出力された10MHzのクロックを同社のOCX(初代)で96kHzや48kHzにし、分岐して各デジタル機器にワードクロックを供給しています。
米国マスタリングエンジニア達のお墨付き
もうずいぶん前になりますが、2016年にLAで開催されたAESコンベンションで、アメリカを代表するマスタリングエンジニア達が登壇するカンファレンスを聴講しました。
質疑応答で「クロックはなに?」という質問があった際(私の拙い英語力故、見当違いでしたらすみません)、壇上の数人が同時に「10M!」と応えていたのが印象に残っていました。
後継機種の10MXが出て、中古の値段が手の届く範囲まで安くなったので数年前に導入しました。
音はどう違う?
RMEのHDSPe MADI FXの内蔵クロック、クロックジェネレータAntelope OCX内蔵クロック、さらにOCXに10Mを繋いだものを比較しますと…
- RME内蔵クロック→もちろん音はしっかり出ます。でも下の2つと比べると焦点が合っていない感じ。
- Antelope OCX内蔵クロック→焦点が合ってきたが、まだ少々歪みっぽく感じる。
- 10M→腰が落ち着き、密度感、艶が出る。トランジェントもはっきりする。
という具合でした。
もちろん個人的な印象です。オーディオ評論家でもないので言葉が足りなくてもご容赦ください。
完全にITB(PC内完結)でミックスをする場合はモニターにのみ影響するはずですが、レコーディング時及びミックスやマスタリングでアナログ機器を使う際にはしっかり効果が記録されてしまいます。
試しにマスターにアナログのチェインを挿したセッションを10M有り/無しで同じファイルをトラックダウンしてみたところ、MacBookのスピーカーでもわかるくらいの差がありました。
某社のもっと安いルビジウムクロックも試してみましたが、無いよりはいいけど、、、というくらいでした。
ワードクロックのケーブルでも音が変わりますしいろいろ相性もあるのかもしれません。
とりあえずAntelope 10Mでしっかり効果が出ているので、当分これで行こうと思っています。