[機材紹介]Steinberg Nuendo 5.5
リニューアルして初めての投稿ですので、スタジオの核になっているDAWをご紹介します。
Nuendoは、2000年にリリースされたSteinberg社のDAWです。
歴史
当時SteinbergはCubase VSTというDAWをリリースしていましたが、こちらはATARIから続くMIDIシーケンサーの流れをくむものでした。
それに対しNuendoはオーディオプロダクションを主眼に開発されたものです。
SGIのワークステーション向けに開発されていたものの、SGIの低迷に伴いWindows NT系でリリースされたという経緯があるそうです。
当時の価格は¥150,000。現在の価格からするとだいぶ安かったです。
最初のリリースから32bit浮動小数点演算を導入し(ProToolsが浮動小数点演算を導入したのは10年以上も後、2012年でした)、洗練されたメニュー構成、高い安定性、周辺機器の自由度という点でネイティブDAWの最高峰と呼ぶのにふさわしいものでした。
その後機能の追加、改善が続き「ProToolsでしかできないこと」が無くなっていきます。
Ver.5.5が好き
さて、これを書いている時点で最新バージョンはVer.7なのですが、私は未だにVer.5.5を使い続けております。
主な理由は
- プラグインの選択がドロップダウンメニューからリストボックス(検索可能)になりクリック回数が増えた。
- ミキサーウィンドウでマウスのホイールクリック→ドラッグで素早いスクロールができなくなった。
という、主に操作の「慣れ」に起因するものです。
ただこの「慣れ」こそが作業の効率を大きく左右するものです。WIndows 8の失敗を引くまでも無く、UIの変更は難しいですね。
また細かいことですが、Ver.3くらいまでは録音中に他のパートを編集してもUndoすることができ、たいへん便利でした。
個人的に困るバグとしては
- 新規トラックを挿入するとミキサーウィンドウ上にはランダムな位置に挿入されてしまい、齟齬が起きることがある。
- トラックをフォルダにまとめると、ランダムな位置に移動されてしまう。
というものがあります。
いずれもトラックの位置を変更すれば正しい位置にもどりますが、ストレスは感じます。
Cubaseとの関係
Cubase SX(現在はただCubase、と表記されています)がリリースされた段階で内部的にはNuendoと同一なり、一部ゲーム制作/ポストプロダクション向けの機能を除きNuendoの優位性はほぼなくなってしまいました。
とはいえこちらとしてもNuendo 1.x時代から使い続けている意地があります。
私の仕事で使う機能はこの5.5世代でほぼ完成されているのでよほどのことが無ければこのまま使い続けるつもりです。
ちなみに現行のCubaseとは拡張子が違うだけでファイルの形式自体は同じなため、Cubaseで制作したものを持ち込まれる場合、プロジェクトフォルダごとお持ち頂ければこちらでそのまま読めます。
ただしソフトシンセの類はオーディオに書き出すか、フリーズしておいてください。